2019.7.5(Fri) 傷心旅行

 
傷心旅行でした。
台湾旅の話をこれでもかこれでもかといつまでも綴っていたのも、現実を受け止められそうもなかったからなのです。
私はほんの少しの着替えを詰め、逃げるように飛行機に乗って遠くへ・・・
 

 
そして、そんな傷心の私を待ち受けていたのは
 

 

 
 
うぉぉーっ! 頭がぐるぐるするよぉぉぉぉ~っ!助けて~!
 
というとちょっとアレなんですけれど、実はですね、我が心の神社『中華こばやし』が6月末でもってお店を閉められたのです。悲しい寂しい悲しい寂しい!
それを知ったのが奇しくも先日6/14のビールタイムの日、ライブが始まる正に直前のことでした。来て下さった方から『やっとこばやしに行けたよ!』という嬉しい報告と共に、だったのです。 かなりホヤホヤの情報だったようです。それは私にとってあまりにも悲しすぎるお知らせでしたが、教えてもらえて本当にありがたかったです。知らずに過ごしていたらきっと立ち直れなかったと思います。ですので、本当にありがとうございました。
 
 
ちなみに、ビールタイムに来てくださるコアな皆様はすでに私を通り越して私の上を行っているので、私がこの悲報に固まっている時に 『そうそう、私が行った時にマスターとおかみさんものすごくぐったりしていていつもの感じじゃなかったのよ。これは何かあるなと思ってね、今日はヒロコフォンにそれを伝えようと思っていたのよ』と。 それから 、
『たしかお店の免許の更新が近づいていたから今年はどうだろうなって気になっていたんだよね』などとものすごい。みなさん一体何者っ?
ということで、寂しさに泣き濡れてばかりもいられぬぞと、ビールタイムが終わって最速のとある午後の部に行ってみると、
 

 
のれんが出ていません!というよりも半分閉まってる?慌てて近づいてみると
 
 

 
あぁぁ、本当なんだ・・・。胸が張り裂けそうになりました。
半泣き状態で中をのぞいてみると、近所の会社の人っぽい常連のお兄さん2人組がカウンターでマスターとおかみさんを交えて話していました。ひょっとして張り紙に書いてある6/29を待たずしてもう閉めてしまったのでは?呆然と入り口のところで立ち尽くしていると、中にいたおかみさんが私に気づき『あら、こんにちは!』。
もはや出る声がなく目だけで訴える私。すると『ごめんなさいねぇ、29日まではちゃんとやるんだけれど閉めるって言ったら今日の昼にものすごい人が来ちゃって、夜用の麺がなくなっちゃったのよぉ〜』とのことでした。
(・・・あぁそうでしたか・・・)←口をパクパクしているだけでほぼ声になっていない!
と目で訴えると、
『あぁ、でも女の人一人分だったらなんとかなるかもしれないわ。よかったらどうぞ』と言ってくれたのです。そして半分閉めた状態の店内にてやっとこさの一杯を出してもらいました。

いつもと少し違ってワイルドです。昼がいかに忙しかったか。けれどせっかく来てくれたから振る舞いたい。いろんなことを物語っている一杯でした。悲しみで味が全然わかりませんでした。美味しいって気持ちがふさいでいると感じられなくなるものですね。シクシク!

一滴も残すことなく完食しました。
最後の日まであと何回来られるだろうか。来ても果たして食べられるかどうかもわからない。いったい私はこれからどうすればいいんだろう・・・
ということで、一滴をも逃すことなく味わうべく私のラストスパートがスタートしたのでした。塩分取り過ぎ覚悟!
寂しい悲しい寂しい悲しい寂しい!!!
 
 
 

 

2019.6.15(Sat) ありがとうビールタイム

我がライブ『ビールタイム』@自由が丘マルディグラでした。
たくさんのみなさまにご来場いただきまして、本当に本当にありがとうございました。とってもとってもとっても嬉しかったです。ありがとう!
第一部は京急線に乗ってテンションが上がってしまう斉藤さんのちっちゃな夏のお話『いつもと違う電車に乗って』と第二部は『冷やし中華始めました』をお届けしました。こちらはズバリ我が心の神社『中華こばやし』の小さな夏のお話です。マフィアに占拠されかかる中華こばやし・・・

そして55回の夏をライクアローリングストーンして酸っぱさの角を取ってきたこばやしの美しき冷やし中華よ!

私のこばやしへのありったけの想いを描きました。あぁこばやしよ! そう、こばやしへのありったけの想いといえば、今回リリースした本がそれでした。

 
こんな感じ。ちっちゃい本にミニCD付きです。たくさんの方に持って帰ってもらえて本当に嬉しかったです。実は本が出来上がった時に勇気を出してこばやしに一冊奉納してきているのでした。
 
と言うことでビールタイム17、ご来場いただいた皆様の心の中に、ぽわっとちっちゃくてほわっとした何かがぴょっこりといつまでも残りますように!
 
 
 

2019.6.17(Mon) この目でたしかめる

中華こばやしが店を閉めるって・・・
この悲しいお知らせを実際に目で見て確認したのが6月17日の夕方でした。いつもと様子が違う。恐る恐る近づいてみました。

 

 
雨戸が半分閉まっていて暖簾も出ていない。これは営業はしていないということ? 今月末までではなくひょっとしてもう閉めちゃったの? 胸が張り裂ける思いでチラっと中をのぞいてみました。
 

 
近所の会社のお兄さんたちがカウンターに座り、奥にいる我が神とおかみさんとおしゃべりをしていました。それはまるで引越し準備の途中段ボールに囲まれて休憩をしている時のような雰囲気でした。 帰ろうかな。でもせっかくなのでご挨拶だけでもして帰ろうか。どうしよう・・・。すると

『あら、こんにちは~。ごめんなさいね、こんなで!お店閉めるって張り紙したらお昼が大変なことになっちゃってね、夜の分の麺がなくなっちゃったのよぉ~』
なるほど、そうでしたか!よくみるとおかみさんは大仕事をこなした顔付きで、奥にいる神はもはや抜け殻のようにぼぉっとそこに立ち尽くしていました。何はともあれご挨拶できたことだし帰ろうと思っていると、
『でも待って!女の人一人分なら何とかなるかもしれないわ、かき集めみたいな、そんな感じでもいい?』いいですとも!いいに決まってますともよ! 
 
私、着席。
 

 
 
ステキワールドの目印である暖簾が店内にしまわれている状態でした。 そしてテーブルの上には普段置かれているはずのない道具が干してあり、店内にも神直筆の張り紙がありました。

 
あぁ・・・
 
 

 
 
『お待たせいたしました~』
と出てきたラーメンは、いつものとはほんのちょっとだけ違う様子。おかみさんの言う通り『何とかなるかもしれないわ』と言った感じのラーメン、昼の部がどれほど忙しかったかを物語っているラーメンでした。 それでもその一杯は『どうぞ召し上がれ』と私に温かく微笑んでいました。えーん!
 

 
 
これはある意味とっても貴重な一杯だったなと今になって強く思っています。
そんな涙の一杯を半泣き状態ですする私。嬉しさと悲しさで味覚が麻痺して味がわからない!全然わからない!
しかも、もしかしたらこれで見納めになってしまうかもしれないと思うと、どこに集中したらいいのかわからない!視線があちこちを泳ぎながら味のわからないラーメンを貪り食べたのでした。

えーん!
 
 
 

2019.6.18(Tue)マリーアントワネットあらわる

嬉しさと悲しさで味覚が麻痺し、味がぜんぜんわからないラーメンを半泣き状態ですする私でした。

 
 
ふと気がつくと、会社帰りっぽい男性が一人、音もなく入ってきました。
私の耳は悲しみで聴力も麻痺してしまったのか、ガラガラガラ~っという引き戸を開く音も聞こえませんでした。
違いました。引き戸は開いたままだったのでした。

おかみさんがぼぉっと店内に立つその男性に 『ごめんなさいねぇ、お昼にたくさん来てもらっちゃったから、もう麺がないんですぅ~』 すると、なんとその男性は

『じゃあ餃子で…』

なにっ?なんだとっ?マリーアントワネットかよっ! 何と言うことでしょう。

パンがなければケーキを食べればいいじゃないの

と言うことなのですか?ズタズタになった旗を振りかざしながら声なき声で抗う私がそこにいました。
しかしマリーアントワネットはさらに続けました。

『ご飯はあるんですか?あるならチャーハンも』

何だとぉぉ!マリーアントワネットォォォ!
その衝撃で私は坂の下の駅前の喫茶モンド辺りまで吹っ飛ばされそうになりました。マリーアントワネットに背を向けて座っている状態の私、振り返りざまグーで殴ろうかと思いましたが 『餃子とチャーハン、ですね~』 何と!出来るのか!私も食べたいっ!

しかし、やっとこさで出してもらったこの一杯で私はもうお腹というよりも胸がいっぱいだったのでした。 残りのラーメンスープをすすりながら私は、目の前の壁に貼ってある鏡(この鏡で私は今までずっとふりかえらずして誰が入ってきたかを毎回チェックしていました)でマリーアントワネットを睨むようにチェックを開始しました。 するとマリーアントワネットはなんてことない顔をしてスマホをいじっていました。まるでドトールでコーヒーでもすすっているかのようにお冷やを飲み、その様は徐々に『なんだ〜ラーメンないのかよ!』とつまらながっている顔に見えてきて、再び振り向きざまにいきなりグーで殴ったろかーっ!とワナワナしたのでした。

でもちょっと待って、私。この貴重なひと時を、マリーアントワネットに一喜一憂しても意味がない、そんなことよりもこの貴重なラーメンスープを一滴も残さずいただこうと気持ちをなだめ直し、半泣き状態でラーメンスープをすするのでした。
ズズズとすすりながら調理場から神がチャーハンを炒める音。あぁ、これこそ我が心の神社『中華こばやし』だよ!なんていい音なんだろう(号泣)。
この時、私は心に誓ったのでした。ここからファイナルデーまで、ラーメンスープは一滴残らず満喫しようと。塩分取りすぎだの体に良くないなど知るものか!

ということで、6月17日、ここからファイナルの29日まで一体あと何回味わえるのか、私の旅がスタートしたのでした。
 
 


  
↑マリーアントワネットが写り込む6月17日の正面から見た中華こばやし。
 
 
 

 

2019.6.19(Wed)早入り

 
麺を食べ尽くされた6月17日のランチタイム。みなさん詰め込めるだけ詰め込んだのでしょう。わかる、わかるよ!
そんな激しいランチタイムの後、抜け殻状態だったマスターとおかみさんをさらに私とマリーアントワネットがしがみついていったのですから、さぞかしヘトヘトだったことでしょう。

というわけで、翌々日私は『早入り』を決行しました。11時開店の『中華こばやし』です。ただでさえランチタイムに行くときは混雑前の11時直後くらいを狙っていいたくらいですが、危機を感じた私は30分前にすでに坂の上にいました。
さすがに誰もいませんでした。
戸は気持ちいいくらいに開け放たれていて、根こそぎ食べられてしまった一昨日のくたびれた様子とは一転して、いつもの澄んだ空気いっぱいの神聖なる我が神社の姿です。
 

 
 
これだよ!これ!と膝を打ちまくる私。開店までこの神聖な世界をゆっくり満喫しようっと!
 

 
春から梅雨に向かってより一層青々しているこばやしの植物たち
 

 
あぁ、私の好きな木枠の窓。ここから中華鍋を振る音が聞こえてくるんだよね。
 


 
ご覧ください。古くたってピカピカの蛇口ですよ!あぁ、やっぱり神は細部に宿るのね。 と、聖なる空気にうっとりしていると向こうの角から一人女性が歩いてきました。 
あっ!ライバル出現だっ!

いやいやヒロコフォンさん、それはただ歩いているだけの人じゃないの?と思われるでしょうが、私の長年の経験と勘でピンとくるのです、これはライバルである確率85%超えの気配ムンムンです。 ものすごい勢いで注目していると、やはり案の定すーっとこちらにやってきて私の後ろに並びました。ほ~らやっぱり!

ということで、ライバルを後ろに従えてむむっと待っていると、奥から神登場! 『ありゃ~ずいぶん早いねぇ!ちょっと待っててね~、準備するから』 
 

 
 
(いいんですよ、いつも通りでよろしくお願いいたします!)

『お待たせ~』
 

 
 
(開店!)
 

 
 
澄み渡る店内の空気よ!ステキ!ピッカピカのグラスに魔法がかかります。
 

 
 
イリュージョン!えいっ!
 

 
 
ふと気がつくと店内には先ほどのライバルだけでなく開店早々だというのにいい具合に席が埋まってきているのでした。

あぁ、何食べようかなー。
 
 
 
 

2019.6.19(Wed)詰め込みたい

 
開店早々の『中華こばやし』です。いい空気!そしてイリュージョンもいい感じ!
 

 
もうこれだけで私は満足。
  
いやいや、そうもいきません。とにかく早く注文しなくては。
ライバルたちもギラギラとスタンバイしていますし急ぎましょう。
 
あぁ、あれもこれも食べたい。そう、あれもこれも食べたい。
もう食べられなくなってしまうのかと思えば思うほど、あれもこれも食べたい!
 
こうなったら焼きそば5種をいっぺんに食べてみるか!
いや、無理!あーどうしようレアネタでトンカツラーメンとかいってみる?
それとも目玉焼きライス?ちょっと待って、今まで一度も食べたことのない丼物とか食べておこうか・・・
 
こうやって大騒ぎしていた私ですけれど、長年鍛え上げた我がこばやし専用の神経回路は至って落ち着いたものでありました。
『何にしましょう〜』
珍しくマスターが直々に注文を取りに来ました。迷って大騒ぎしていた私でしたが、何事もなかったかのように、鍛えられた神経回路は自動運転を始め
 
『ラーメンと、チャーハン、お願いします』
 
と、迷いひとつなく実に落ち着いた声色でお願いしたのでした。おぉ!
 

 
美しい!美味しい!まだ食べていないけれど、すでに美味しい!
 

 
すでに美味しいーっ!
 
 
さて、この清々しい開店早々の時間のこばやし。この清らかな空気が呼んだのか、それともファイナル期間故か、お一人様の女性が多いこの日でした。
特に3人だけ座れる小さなカウンターでは女性の激戦が繰り広げられました。
 
まずお一人目の女性はカウンターにてノートパソコンを開きました。こばやしでノートパソコンを開いている人を見たのは初めてです。時間的に株でしょうか。女 トレーダー、こばやしに降臨、といった感じです。仕事めちゃめちゃできそうです。
そんなトレーダー姐御は餃子とチャーハンを注文しました。おかみさんが『半チャーハン?』と聞くと『いいえ、チャーハンで』と。かっこいい!(確かもう一品くらい頼んでいたと思います)
 
次なるソロの女性はカウンターの真ん中へ。清楚な雰囲気です。どう見ても町中華ではなくカフェが似合いそう。しかし
 
『瓶ビール下さい』
 
なんと!いいぞ!フラペチーノではなく瓶ビール!ステキだ!
さらに、
 
『カレーお願いします』
 
こばやしのカレーのファンのようでした。あの黄色くてグリーンピースが載っている昔ながらすぎるほどのあのカレー。こばやしのカレーのファンに悪い人なんかいるはずがありません。ところが
『ごめんなさいねぇ〜、カレーはもうないんですよ』と。悩むお姉さん。ならパンケーキにしようかしら・・・と悩む姿までも清楚でしたが
 
『それではラーメンと半チャーハンで』
 
できる女でした。
 
カウンターゾーンが華々しい6月19日の中華こばやし。ガラガラ〜っと引き戸が開いては席が埋まっていきます。そして面白いことにガラガラ〜っと引き戸が開くと<ビールタイムのお客様>が連続でひょっこり登場!私のテーブルはビールタイムのオフ会のようになりました。
 
 
さて、3人目のソロ女性がやってきてカウンターに座りました。これでカウンターは女性で満席です。ご近所さんのようでした。出されたお冷やをググッとあおった後に、『冷やし中華、大丈夫?』と。
 
この『冷やし中華、大丈夫?』で店内の空気が一変し静まり返りました。静まったワケは、
 
 
その答えが聞きたいから!
 
 
これでした。皆が耳をダンボにして確認したおかみさんの言葉『はい〜、できます』を合図に
 
①トレーダー姐御が『あ、すみません、私も!』
 
②真ん中の清楚瓶ビール姉さんも『あ、私も一緒にお願いします!』
 
③私と同席のビールタイムのお客様も『え〜!こっちもお願いします!』
 
④私の後ろにいた2人組が『あー、こっちもお願いします!』
 
 
すごい勢いでした。トレーダー姐御は男性並みの食べっぷりだったにも関わらず追加の冷や中、デザートということなのでしょうか。そして清楚瓶ビールさんもじゅうぶんバッチリの量だったし、ビールタイムのメンバーもすでにチャーハンとソース焼きそばを頼んでいたにも関わらず、です。私の後ろの2人組もバリバリ食べていました。
 
みんな詰め込めるだけ詰め込みたい!
 
 
そして我らがモリモリと詰め込んでいる間にふわっとタイミングよく入れた若くて細い男性は、レバニラ定食と目玉焼きと餃子とラーメンという、それでもまだ心残りがあるのかメニューから目を離せずにいました。
 
 
みーんな詰め込みたーい!!!詰め込めるだけ詰め込みたーい!
 
 
わかる、わかるよ。心の底からわかります。みんな一緒だね。
 
ということで詰め込みたい私たちでいっぱいの6月19日のランチ第1回転目は、おそらく2回転分くらいの量が出たのではないでしょうか。きっとトレーダー姐御の株価も上がったことでしょう。
 
途中、満席で残念顔で帰っていく人もたくさんいたので、一滴残らず一粒も残さずに食べ終わったらすぐに外へ。 そしてしばらく外でぼんやりと。
 
あ、よく見たらブドウがなっている!
 

 
今まで気がつかなかったな〜。まだまだ知らないこばやしの顔がそこにはありました。
 
 
こんな穏やかな世界が私は本当に大好きです。
 
 
↓雰囲気を少しだけお裾分け!後半炒める音が聞こえます。やった!
 

 
 
 

2019.6.20(Thu)私の教科書

 
ライブの計画を立てたり、演奏の練習をしたり曲を作ったりしています。
自分のことをやりながら、いろんな人の演奏を聴いたり新しい作品に触れたりもします。そうすると刺激され拍車がかかったり、私の中に新たなアイデアが浮かんできたり。
逆にごっそりと落ち込んでしまうことも割とあるのです。これを表現するためにもっとこう言う技が上手にならなくちゃと練習漬けにもなります。どこかで曲がり角を間違えたかのように道に迷ったまま同じ場所をぐるぐると巡りながらあらゆるお手本や教則本を漁りまくるのですが、どんなに有名なメソッドよりも、私にとって最強の教科書はコレだなと最近強く再認識しています。
 


我が心の神社、中華こばやし。 マスターの13年前のつぶやきです。
自分自身を静かに自分の真ん中に持ってくる作業です。当たり前のことなんだけれど難しい。先日のビールタイムライブの準備期間もほぼ毎日この言葉を復唱していました。

次のライブに向けても同じようにしていこうと思います。

 
 
 

2019.6.22(Sat)手伝いたい

 
こばやしが店じまいをするなんて・・・。そんなこと一ミリも考えていなかった頃、私は台湾への旅の予定を入れていました。
 そして台湾でこばやしみたいなお店あったらいいなぁなんて呑気なことを考えて過ごしていました。
 困ったことに思いっきりファイナル期間にかぶった旅日程。おぉ!できることならば最後の日まで毎日でも通いたいと思っていたくらいなのになぁ!
 
ということで、空港に行く前に寄っていこうと小雨降る中バックパックを背負い、攻玉社脇の坂道を上りました。
 
時間は17時20分頃。これがその日の私の最速の到着時間でした。そして予定的には19時までに羽田入り。うぅ!
 
坂道を登りきると行列でした。10人ほど並んでいました。店内はすでに満席。こんなに忙しい時に私も列を伸ばしてしまって申し訳ないなと思いながらも列に並ぶと、あっという間に後ろに10人くらいが続きました。そういえば土曜日なのでした。ご近所の家族連れやら、噂を聞きつけたお初の方やら、続々やってきました。
 
どうしよう、これじゃ無理かな・・・。15分くらい待っていると食べ終わった1組が出てきましたが、先頭の人が入れてもらえず完全にフリーズ状態です。列の前の方はジリジリです。私はタイムリミット。もうダメか?
 
するとガラガラ~っとおかみさん登場!行列を見てもはや白目状態です。そして先頭の1組だけ呼び入れて、今日はもうこれでおしまいにさせてくださいと深々と頭を下げていました。
 
行列は残念そうに解散。仕方がないな、私も羽田に向かうとしよう、とぼんやり歩き出したところ、おかみさんにいざなわれカウンター席へ、そしてガラガラガラ~っと扉が閉まりました。
 
なんと!(泣)
 
並んでいた方々には申し訳なかったですが、みなさんチームで来られている方ばかりでしたからね。お許しください!
 
 
店を閉めたということでホッとした表情になったマスターとおかみさんでした。席に座る皆様から『ゆっくりで大丈夫ですから!』と声が何度も上がりました。
 
 さて、時間的にはタイムリミットでしたが、私のスケジュールは私が決めればいいわけですから(ニヤニヤ)、ここはひとつ旅前の一杯ということで、
 
 

 
 
散々通った『中華こばやし』。衝撃の箸袋です!こんなに通ったのにこれ、知らなかった!
 ということで、大事にしまってお持ち帰り~。
 

  
そして誰かがチャーハンを頼んだので、そのタイミングで『私もお願いします』と追加。他の皆さんもマスターとおかみさんに負担をかけないように、誰かが頼んだものと同じものにする、という流れでした。うっかり間違えて余計に焼いてしまった餃子も『うちがもらいますから!』と挙手する人も出たりで、とにかく店内はものすごいチームワークで時が流れていきました。
 
 

 
 
その間、何人もの人が入ってきましたが詫びながらの『今日はおしまいです』の一言で残念そうに帰っていきました。そしてカウンター越しだからこそ見えましたが、マスターとおかみさんはユンケルを煽りながら仕事をしていました。
 
タイムリミットがあるから急がなければならない、けれど食べ終わりたくないなー。
 
 
あ、終わっちゃった・・・。
 

 
 
ごちそうさまでした。
 
 
は~い、毎度毎度、いつもありがとう~
 
 
 
外は小雨。
 
チャーハンは今日も美味しかったし、それに今日が最後なわけでもないし、私は今から南国に向かうところだし、
 

 
けれど、小雨の夕暮れ時に振り向いたその場所から、あたたかな灯りがこぼれているのを見たら
 
 
私はものすごく泣きたい気持ちになりました。
 
 

 
 
 
 

2019.6.26(Wed)しっかり起きる

 
台湾の旅から戻ったのが明け方で4時くらいにようやくお布団に入りました。
目覚ましをしっかりと念入りにセット。寝過ごすわけにはいかないのです。むしろそのまま起きていようかと思うほどに私は真剣でした。何故ならば10時過ぎには不動前駅には着いていたかったからです。
 
こばやしの店じまいのことなど一ミリも考えることなく予定していた台湾の旅。そしていざ出発前と言う時にまさかのニュース。羽田入りの直前の怒涛のこばやしにて食べた味を思い出しつつ、そして持ち帰った箸袋を胸に、泣く泣く飛行機に乗った私でした。
現地でも、どこかこばやしみたいなお店はないだろうかと面影を追う旅。そして夜になるとお財布からこばやしの箸袋を取り出して、それをツマミにビールを飲んで過ごすというありさま。
なんと言うことでしょう。そんなですから
 
帰ったらスグ行く!!!
 
ゆえに目覚ましをしっかりセットということなのでした。
 
さて、短時間で深く眠ったのか、それとも覚醒したままだったのかは不明でありますが、私はシャッキリと家を出て早々に不動前イン。同じ雨季ではありますが、rainy dayな台湾とは打って変わって爽やかな6月のジャパン、シナガワ、ニシゴタンダ、五チョーメです。
 

 
あぁ、ステキ!
と思っている間にすでに私の後ろに列が出来始めました。
というよりも見てこれ!開店前の様子ですが、連日ファンが詰めかけてもみくちゃにされているこばやしなのにさっぱり爽やかな様子よ!
 


前日のドロドロは前日のうちに、そしてしっかりと仕切り直してどんなことがあろうと新しい一日の始まりは爽やか・・・学ぶことばかりであります。おお! 雨季だからでしょうか、こばやしの植物たちもめちゃめちゃ元気です。

 

 
 
 
一番に入店します。

 

 

そして今日も美しい、こばやしのお冷や。もう泣いていいですか?
 

 
もちろんイリュージョン!もうファイナルイリュージョンです。えーん!
 
梅雨だというのにこんなに爽やかに晴れて快適。お空もこばやしファイナルをステキに演出しようと真剣なのです。
神の領域をちょっと覗きます。
 

 
開け放たれた勝手口からのそよ風が気持ちいい。ビューティフォー!そしてここにかかっている2種類のちっちゃな手ぼうき。


いつもこれを目にしていた私は台湾土産にこれくらいのちっちゃな手ぼうきを買って帰ったのでした。どこまでもこばやし脳の私なのです。

 

 
どんなに忙しくても出てくるビールのアテ。もちろんおかみさんのお手製。あのね、これね、絶品!
 
もうさ、見た目だけでもすでに美味しいでしょ?
 
嗚呼!
 
 
 
 

2019.6.26(Wed)美しい世界

 
続きです。
胃弱な私ですが、ファイナルにつき詰め込みます。
せっかくだからまだ食べていないものを食べておきたい気持ちもありましたが、ファイナルだからこそいつもの味です。そう、しっかりと体に刻み込まなければなりません。
 
ということで、ここはやっぱりコレでしょう。
 

 
 

プリティ!
是非とも写真を拡大してよく見てみて下さいな。
もうとってもとってもビューティフルでしょ?ピッカピカのお皿にコロンコロンの餃子。なんて美しい!
それからこの餃子の焼き目をよく見て下さいな。
ちょうどいい焼き加減、それだけでなく余計なガリガリやコリコリなどどこにもくっついていない。
この美しい焼け具合は、どう見てもキチンと丁寧に手入れされたフライパンで焼かれたに違いない美し〜い焼き目です。

 

やはり、神は細部に宿ります!ゼェゼェ!

 

食べる前からすでに美味しい餃子です。そんな美しい餃子とピッカピカのコップで飲む瓶ビールの組み合わせですよ。どうですか?極上すぎて震えませんか?
世の中のパーティー界隈は本当に素敵を演出したいのなら、そろそろシャンパンに生ハムメロンでなくこばやしのビールと餃子の方が断然いいんじゃないかしらと本気で思っている私です。

 

さて。小皿にお酢とお醤油を注ぎました。ラー油だけが小皿に入ってくるのです。マスター的にはラー油はマストということなのか、それともラー油の保存もしくは衛生面の関係なのか、その辺はわかりませんがパクッ!美味しいっ!!グビビッ!うまいっ!パクッ!美味しいっ!!グビビッ!うまいっ!そして、

 

お待たせしました〜 キタッ!
 

 
 

美しい。麗しい。ビューティフル。エレガント。眩しい。端正。素敵。

ああ、なんて贅沢な昼餉なのでしょう。ブレない美味しさ。どんなに忙しくても絶対に美味しい。最後の最後までブレない姿勢に目が覚める思いです。ひたすら黙って刻み込むように食べました。
 
 

ごちそうさまでした。

 
 

は〜い、ありがと〜。ガラガラガラ・・・・

 
 
 

梅雨のさなかの晴れ空の6月26日。中華こばやしは本当に、
 
 
美しい。
 
 
 

 

2019.7.3(Wed)そっと訪ねる

 
 
台湾帰国直後、そのままのテンションで参拝した6/26の水曜日でした。そしてその翌日はもう『ファイナルまでの悲しみのカウントダウン』が始まってしまったのでした。
残り3日間すべて行こう。そのつもりでずっといました。
しかし、実際にカウントダウンが始まってしまうと、どういうわけか私の脳内がこばやしを避ける。なぜ?もうこれで最後なんだよ?と自分に言い聞かせるも、この3日間のやることリスト作り忙しくし、ネット上に日々投稿されるこばやしの様子も目に入れないようにし、29日の最終日に関してはボーカルのワークショップに申し込みをし、こばやしに行かない理由をいっぱい作って予定を作成していたのでした。
あまりの悲しみで完全に脳が誤作動を起こしたのか、それとも現実を受け入れたくなくてついに狂ったのか。
とにかくそんな感じで、ファイナル3daysは何事もなかったように、頭の中を真っ白にして機械のように淡々と過ごしたのでした。
 
そう、中華こばやしなんてはじめからなかったんだ・・・。
 
 
そんな風にして数日経ってから、私はあの坂を登りました。
坂を登りながらいろんなことを思いました。本当はファイナルカウントダウンのすべてに行きたかったこと、そして最後の日には花束を持って行こうと思っていたこと。それから、まだ食べたことのなかったメニューのこと、よく一緒になった常連さんたちのこと、開店前きれいに掃除された清々しい店内のこと、ビニールに包まれた招き猫のこと、ある日突然棚の上に飾られたピーボ君のこと、マスターのエプロンのこと、出前の時にかぶる赤いヘルメットのこと、おかみさんの笑った顔のこと・・・。
そして視線の先には、赤い暖簾の出ていないこばやし。
 
 

 
 
 
近くまで行く勇気がなかなか持てませんでした。しかし力を振り絞ってお店の前まで。
 

 
 
あぁ!こんなの読んだら泣いちゃうよっ!
 
ここで私はオーラを限りなくゼロにし存在感を消し去って、サササッとお店の反対側へと移動しました。
 

 
 
おぉぉ!私のビール入っていた冷蔵庫です。その上にはメダカの水槽があったはずなのですがメダカの水槽はなく冷蔵庫上にはあれこれ積み上がっていました。そして写真では見えませんがカウンターにはたくさんのお花が!きっと最後の日にたくさんの人がお花を持って食べに来たのでしょう。
オーラを消しているので大丈夫だろうともう少しだけ近づきました。すると
 
 
見えますか?壁に貼られたメニューのいくつかが線で消されていました。ラスト3daysがどれほど大変だったかを物語っています。ヤキソバに関しては5種あるうち4種が消され、最終的には上から張り紙をして焼きそばは『カタヤキソバ』にて対応、それからその隣のご飯類で消されているのはカレーライスと思われます。ラスト3daysに来なくてよかったような、でもやっぱり来ておくべきだったような複雑な気持ちで、オーラを消しながら涙する私!
 
 
帰り際にチラッと見えましたが、この時は何かの撮影が入っていたようでした。オーラを消して前を通ったつもりでしたが、その時インタビューを受けているおかみさんと目と目が一瞬だけ合ってしまいました。邪魔をしてごめんなさい!と思いつつ、こんなテレパシーをおかみさんに投げかけてその場を後にしました。
 
 
おかみさ〜ん、こんにちは!今までたくさん美味しいの、ありがとう〜
 
 
 

 
 
 

2019.7.8(Thu) ぽにぃ



ということで、我が心の神社『中華こばやし』がクローズしてしまい、泣き濡れる日々です。えーん!
 
そんな時に我が心の友よりメッセージが来ました。聞くところによると、友も心から愛し通っていた『おもちゃのポニー』が閉店したというショッキングなことが幼少期にあったということでした。
閉店セールに行ってみると商品は品薄でシャッターが半分降ろされていたそう。幼少期の友の中では『おもちゃのポニー』がなくなるなんて1ミリも想像することはなく、それはただただステキなワンダーランドであったわけで、そんなワンダーランドのシャッターがある日突然半閉めの状態になっているというのはどれだけ衝撃の姿であっただろう。先日私が見たこばやしの雨戸半閉めと同じです。
 
大人の私でさえ胸が割れてこんなにも苦しいというのに、ちびっ子時代の我が友にとったらそれはもうショッキングすぎてどんなに痛かったことでしょう。
 
おもちゃのポニーと中華こばやしよ!プリーズカムバック!
 
 

2019.7.9(Fri) ペンパル


 
こばやしファイナルの日に行けなかった私。いや、行かなかったといった方が正しいですね。
ファイナルの日の夜、最後のお客様を送り出し暖簾をしまって一息ついている頃かなと思われる時間帯に、私は家でビールをプシュッと開け、こばやしのある西五反田5丁目の方角を向いてお疲れ様会を開いていたのでした。(どれだけファンなんだ私は!)ってただ中華こばやしのことを想ってビールを飲んだだけですけれどね。
一人遠隔お疲れ様会にてあんなことこんなことを思い出しながらビールを飲んでいたら想いが溢れて止まらなくなってしまい、私は便箋を取り出し中華こばやしへファンレターを書いたのです。おぉぉ!
ファンレターを書いて出したことで、ファイナルの日に行かなかった気持ちになんとなく整理がついた感じでした。出してよかったなと思っていました。
すると、思ってもみなかったことが起こりました。なんと、
 
お返事が来た!
 
しかも我が神とおかみさん両方から!
 
なんということでしょう!嬉しすぎてどうしようもなくなり、またビールを飲みました。